妊活
妊活
35歳で妊娠出産する場合のリスクはありますか?
近年、テレビで芸能人たちが40歳を超えて、中には50歳近くで妊娠・出産したというシーンを見たことがある方は多いのではないでしょうか?
もちろんこの話自体はとても素晴らしい話です。
ただ残念ながらみんながみんなそうなるとは限りません。
逆にそのような例はごく一部であり、ほとんどの方で35歳を超えてくると妊娠・出産できる確率はやはり下がることがわかっています。
また妊娠・出産は年齢が上がるにつれ、伴うリスクもやはり大きくなってくる傾向にあります。
※食事に関して編集加えました(2019年2月10日)
流産やダウン症の確率が上がる!
まず流産の確率ですが、やはり年齢が上がるに従って上がってきます。35歳では平均より5%上がっているだけですが、42歳以上では妊娠しても半数が流産になると言われています。
ダウン症の発生率も0.5%と発生率自体は低いですが、割合的には20歳に比べると2.5倍となっています。
※注:数値は出典資料により異なっているため必ずしもこの数値というわけではない
原因は卵子の老化!
最近テレビやマスコミなどでも取り上げられることも多いため、聞いたことある人も多いと思いますが、年齢を重ねると同じように卵子も老化していきます。
さらに一度老化した卵子は二度と若返ることはできません。
もちろんお肌のように化粧なんかでごまかすこともできません。
助成金のブログ(不妊治療を支援してくれる助成金ってあるの?)でも少し触れていますが、卵子の元となる原始卵胞は生まれた時から増えることはないと言われています。
他の細胞は赤血球の120日を始め、多くは周期的に生まれ変代わることができますが、卵子にはそれがないため、体のどの細胞よりも長い期間、生活習慣の影響を受けるということになります。
特に活性酸素の影響は大きいと言われていて、老化した卵子の遺伝子は活性酸素によって傷だらけです。
傷だらけの卵子はたとえ排卵できたとしても正常に生長していくことが困難で、妊娠することができたとしても上手く胎児を形成していくことができず、流産したり、生まれたとしても「ダウン症(21番染色体トリソミー)」であったりということが起こるのです。
リスクを避けるにはどのようなことに気をつければいいでしょうか?
まず自然発生的に起こる流産はどうしようもない点は除いてというのが前提の話になります。
自然発生以外の点で染色体異常の可能性を下げる、つまり卵子の老化を防ぐには年齢が35歳未満の方は、今すぐにでも生活習慣を見直したほうがいいでしょう。
具体的には食事・運動・睡眠の3つです。
運動および食事に関してはこちらの記事も参考にしてみてください。
妊活中に避けるべきもの
①トランス脂肪酸:マーガリン、ショートニング、スナック菓子など
②添加物:人工甘味料、コンビニ弁当などの保存料・着色料の入ったものなど
③砂糖:清涼飲料、スイーツ
④遺伝子組み換え食品
これらはなるべく少なくしたほうがいいでしょう。
積極的に取り入れるもの
一方で積極的に摂りたいものとしては「粗食のすすめ」で有名な幕内先生の本などで見たことあるかもしれませんが、「まごわやさしい」の食事は不妊症に限らず日本人にはどんな方にとってもおすすめです。
- ・ま:豆類
・ご:ゴマ
・わ:ワカメなどの海藻類
・や:野菜(緑黄色野菜)
・さ:魚
・し:しいたけなどのキノコ類
・い:芋類
最悪の生活習慣、タバコ!
しかしこれ以上に注意するべきものが1つあります。それはタバコです。タバコを吸う人はそれだけで実年齢より卵子は5歳老化が進んでいると考えてください。
タバコの場合はタバコに含まれる有害物質は10年以上排出されないと言われているため、今止めたとしてもなかなか厳しいかもしれませんが止めないよりはマシです。
さらに妊娠しにくいだけでなく、もし妊娠したとしてもタバコに含まれるニコチンや一酸化炭素が血管を収縮したり、血液中のヘモグロビンと結合することで血流が悪化し、胎児に必要な栄養や酸素が運ばれないことで子宮内胎児発育遅延(IUGR)や乳幼児突然死症候群(SIDS)といった非常に重篤な症状を引き起こすことがあります。
またまたご主人が吸っている場合も副流煙にはさらに有害とされている物質も含まれています。これらのことから考えても妊娠を希望される方は夫婦共にタバコは100%やめるべきでしょう。
まとめ
35歳での妊娠出産のリスクについてまとめてみました。
ポイントはやはり“卵子の老化”をどう抑えるか、という点が中心になりましたが、感想としてはやはり不妊に関する情報、知識の欠如は大きな問題のように思われます。
現在の日本では女性の社会進出が進んでいるため、結婚出産の年齢がどんどん高齢化しています。
よって今後35歳以上で妊娠出産される方は増えてくることは間違い無いでしょう。
NHKの取材による7000人のアンケートを基にした大規模調査では、不妊治療の初診患者の80%は35歳以上という結果も出ています。
しかしながらその大半は“卵子の老化”という事実はほとんど知らなかったという方が大半で、52%は45歳まで妊娠できると答えています。
実際は45歳では体外受精をしたとしても成功率は0.6%、なのですが、こういった“年齢と妊娠”“不妊治療の実際”という情報を薬局や病院など医療を提供する立場の方からもう少し積極的に発信していかないといけないですね。
彩り漢方薬局では、子宝相談にこられた方でも必要に応じてこのような「不妊治療と年齢、そのリスク」に関する情報等についても十分な時間をかけて説明していきたいと考えております。
「自分の年齢が妊娠率はどれくらいなのか?」「今の治療のリスクはどのようなものがあるのか?」など、気になることがあればどんなことでもいいのでまずはご連絡ください。
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