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妊活中にどのような運動をすると効果的なの?

2019-02-05

現在、妊活をされている女性の大半の方は「運動不足」の傾向にあります。

これは車・電車での移動など日常生活の利便性に伴って体を動かす機会が少なくなった現代人全員に言えることかもしれませんが、妊娠を希望する年齢の女性層においても多くの方が運動不足であることは間違いないでしょう。

では、運動することで実際に妊娠しやすくなるのでしょうか?
また実際にはどのような運動をすれば効果的なのでしょうか?

結論から言いますと、ほとんどの女性において、いかなる運動であっても、運動することで妊娠する確率は確実に上がります

いかなる運動とはウォーキング・掃除・階段の上り下り・ウェイトリフティングなど心肺機能に影響するものであれば何でもいいということです。

このことはハーバード大学の「看護師健康調査(Nurses’ Health Study)」という非常に信頼性の高い研究調査によって実際に証明されているように科学的根拠に基づく事実です。

つまり最も重要なことは、「どんな運動でもいいのでまずは体を動かすことを始める!」ということなのです。

適度な運動が妊娠にいい理由

先に紹介したように、どんな運動でも、何かしら体を動かことにより、運動する前と比べて妊娠しやすくなります。その理由として考えられるのは主に次の3つです。

  • ①血流の改善
  • ②冷え性の改善
  • ③体重のコントロール

では具体的に見ていきましょう。

①血流の改善

〈筋肉は血液循環に必須!〉

まず①ですが、運動することで筋肉がつきやすくなることは皆さんもご存知ですよね?

この筋肉の役割として重いものを持ち上げたりする役割以外に、「血液を循環させる」という大事な役割があります。

つまり筋力が低下したり、筋肉量がもともと少ないという方は血液の循環がどうしても悪くなってしまいます。

特に現代人は歩くことが少なくなったことで下半身の筋力が低下しています。下半身の血流が悪くなれば当然腰回り(骨盤内)の血流も悪くなります。

〈子宮・卵巣は骨盤内にある!〉

その骨盤内にはどんな臓器があるでしょうか?

そう、子宮です。そして卵巣です。

妊娠に最も重要な臓器である生殖器官は骨盤内にあります。つまり下半身の血流が悪くなるということは子宮・卵巣と言った生殖器官の血流も悪くなるということになります。

〈血流の大事な2つの役割!〉

その血流の役割は大きく分けると
①酸素・栄養を各組織に届ける
②各組織で不要となった老廃物を運ぶ
という2点です。

つまり骨盤内の血流が悪くなると、骨盤内にある卵巣の血流が悪くなり、その卵巣内にある卵子に必要な栄養が届かず、卵子の正常な発育が阻害されてしまうことになります。

〈骨盤内の血流を良くしましょう!〉

こうならないようにするために必要なことはやはり運動です。

特に下半身中心の運動が必須となりますので、足腰を使った運動、まずはウォーキングなどから始めるのがいいと思います。

〈まずはウォーキングから始めよう!〉

ウォーキングの目安ですが、まずは1日30分くらいから始められるのがいいでしょう。

ポイントはただいつも通り歩くのではなく心拍数をいつもより上げることを意識してみてください。

年齢や普段からの体力にもよりますが先のハーバード大学の研究では1分100歩程度のペースを理想としています。

ある程度心肺機能に負荷をかけたほうがより妊娠の可能性を高めてくれるようです。

②冷え性の改善

〈冷えは妊娠の大敵、体を動かして体を温めよう!〉

次に②の冷え性についてですが、妊活されている方の大半は手足かお腹か、その両方、または下半身は冷えるが上半身はのぼせる、などタイプは異なりますが 「冷え」を訴える人がとても多い傾向があります。

理由は様々ですが、その理由の一つとして運動不足も挙げられます。

なぜなら体の熱は主に筋肉で作られるからです。

筋肉量の多い男性の方が「冷え」を訴える人が少ないことからもわかりますよね。

よって冷え性の方は積極的に運動を取り入れましょう。

〈冷え性には漢方薬が非常に有効!〉

また、冷え性には漢方薬が非常に有効です。

漢方で冷え性を考える時は大きく分けると

①体を温める熱が足りない(陽虚・気虚)
②熱は足りているが必要なところに届いていない
というふうに考えます。

さらに②は
・熱を運ぶ器(血)が足りない(血虚)
・器(血)の通り道が渋滞している(瘀血)
・器(血)の通り道を邪魔するものが溢れている(痰湿)
・器(血)を先導する気の流れが悪い(気滞)
というふうに分類でき、それぞれ使う漢方薬が異なってきます。

厳密に言うとまだまだ細かい分類ができますがここではとても書ききれないので別の機会にさせていただきます。

大切なことは、きちんと分類ができれば冷え性に漢方薬はとても有効だということです。運動と併用して服用していただければより効果が得られるでしょう。

③体重のコントロール

〈「妊娠最適ゾーン」へ体重をコントロールしよう!〉

③の体重コントロールは「実際の体重」「BMI」としてリアルな数値として現れるため、“妊娠しやすさ”の指標として大いに役立ちます。

特に BMIが20から24までは「妊娠最適ゾーン」と言われ、排卵障害による不妊のリスクが最も少ないことが先のハーバード大学の「看護師健康調査(Nurses’ Health Study)」の結果として出ています。

〈BMIとは?〉

体重と身長の関数から計算されるヒトの肥満度を表す体格指数で、体の総脂肪量とよく相関することから、糖尿病・高血圧・脳血管障害・虚血性心疾患などの指標としてよく使われています。

またBMIは国内外の研究により卵巣年齢(AMH)、排卵性不妊、骨密度などと相関することが報告されており、そのことから不妊との関連性が指摘されています。

BMI=体重(kg)/身長(m)×2   標準:18.5以上〜25未満

例1) 身長155㎝、体重60kgの場合
60/1・55×2=24.97:ギリギリ標準体重

例2) 身長160㎝、体重80kgの場合
80/1.6×2=31.25:肥満

例3) 身長165㎝、体重50kgの場合
50/1.65×2=18.36:痩せすぎ

〈肥満気味の人は負荷の強い運動を心がける!〉

特に肥満気味な人(BMI26.5以上)で妊娠できにくい人はまずは自分のBMIを「妊娠最適ゾーン(BMI20〜24)」に近づけるようダイエットすることで妊娠の可能性を高めることができます。

これらの方に進める運動として、運動初めはウォーキングもちろんいいですが、体が慣れてくるに従ってより負荷の大きい運動を取り入れていく必要があるでしょう。

例えばジョギング・エアロビクス・水泳・テニスなど活発な運動を少しずつ取り入れることが大切になってきます。

さらにこの項目で重要なことはやはり「食事」です。

今回のブログのテーマは「運動」なのでここでは触れませんが、いくら運動してもそれ以上に食べてしまえば当然まったく意味のないものになってしまいます。

また食べるものも何でも食べればいいのかというとそうではありません。

「妊娠しやすい食事習慣」があるのです。これらはまたブログのテーマが「食生活」の時に詳しくお伝えしましょう!

また忘れてはいけないのが、これらの数値はあくまで統計学的な計算による傾向のため、BMI20〜24であれば必ず妊娠でき、その範囲外では妊娠できないというわけではなく、あくまで“妊娠しやすさ”の指標であることは忘れないでください。

まとめ

この記事で最も伝えたかったことは、

「どんな運動でもいいのでまずは体を動かすことを始める!」

この一言に尽きます。

運動の種類、方法は初めは正直何でも構いません。

ウォーキングから始める人もいれば、テニスが好きな方はテニスをすればいいと思います。

そしてできれば半年(180日)、最低でも3ヶ月(90日)続けてみてください。

この90日という期間は単に区切りがいいからというわけではなく、実際に卵子が体内環境の影響を最も受けやすくなるのが排卵の90日前から、だからです。

つまりこの90日間しっかり運動して骨盤内の血流が良くなれば、その分だけ90日後には質のいい卵子が成熟して排卵してくれることになります。

もちろん血流の質である「食生活」も同時に注意する必要はありますが。

では最後にもう一回、

「どんな運動でもいいのでまずは体を動かすことを始める!」

今日からでも始めてみてくださいね!

彩り漢方薬局では、子宝相談にこられた方全員にこのような「運動の必要性」を始め、「食生活と妊娠のしやすさ」、「西洋医学との併用時の注意点」、「漢方薬を服用するメリット・デメリット」等を十分な時間をかけて説明し、納得していただいたその上で必要な漢方薬・サプリメントを提案しております。

不妊症に関して不明な点や気になることがあればどんなことでもいいのでまずはご連絡ください(^^)

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質問コーナーQ&A

Q1:妊活中にやってはいけない運動ってあるの?

A1:あります。

特に痩せすぎの人(BMIが20以下)は運動することで、さらなる体重減少により体脂肪が少なくなると余計に妊娠しにくくなる可能性があります。

スレンダーなモデル体型に憧れ、過度のダイエットをされるている方を時々見ますが、妊娠には不向きです。

またマラソン選手などは生理が止まっている方もおられます。

マラソン選手などプロの人は仕方ないとしても一般の人にはやはりやりすぎは良くありません。

③でも紹介したように、「妊娠最適ゾーン」はBMI20〜24です。痩せすぎも妊娠には良くないのです。

また、着床の可能性がある方もその時期はハードな運動は避けたほうがいいかもしれません。

しかしながら妊娠12週目までは胎児の染色体異常が原因のため、どんなに安静にしてもあまり意味はないという意見もあります。
http://www.sodatsu.com/article/dr_03_01.html

どうしても気になる場合はやはりまず専門家に相談してから決めるのがいいかと思います。

上記以外の方、特に肥満気味の方はやはり積極的に運動をした方がいいでしょう。

もちろん最初は自分のできる範囲内で無理なく行うことが大切です。また日中に体を動かせば夜の睡眠もとても質のいい睡眠になります。

さらにストレスの発散にもなります。睡眠が十分でないと妊娠に必要なホルモンも上手く作られません。自律神経のバランスもとても大事です。

これらの面からも妊活中に運動をするメリットはありすぎるくらいだと思います。

Q2:普段の生活をあまり変えたくないんだけどダメですか?

A2:いい人もいます。しかしダメな人が大半です。

今回の質問の「普段の生活」は各人によって全く異なります。

毎日30分ウォーキングをして、食生活にも気を使い、夜は10時ごろ寝て朝6時に起きる生活が「普段の生活」の人もいれば、毎日家でテレビばかり見て全く運動せず、食事は自分の好きなものだけを食べ、夜は友達と飲みに遊びに行く生活が「普段の生活」の人もいます。

これらの方が上記の質問をされた場合、私は前者には「変えなくていいですよ!」とアドバイスし、後者には「今の生活習慣はなかなか妊娠しにくい生活習慣なのでやはり変えていく必要があると思いますよ!」というふうにアドバイスするでしょう。

しかしながら、妊活で漢方子宝相談に来られる方で前者のような生活の方はとても少ないのが現状です。よって大半の方には生活習慣を少しずつ見直すように指導を行っているため、上記のような回答になります。