新型コロナウイルス
新型コロナウイルス
双黄連口服液についての考察
先月末からいきなり猛威をふるい始めた新型コロナウイルス。
急激な勢いで感染拡大となっている今、この新型コロナウイルスに対して効果がある(かもしれない)漢方薬「双黄連口服液」が中国では売り切れ続出となっているようです。
https://www.sankei.com/life/news/200202/lif2002020043-n1.html
https://www.asahi.com/articles/ASN220P20N21UHBI02Z.html
実際に有効かどうかはこれからのさらなる検証が必要とのことですが、ではこの「双黄連口服液」とはどのような漢方薬なのか?そして実際に効果が期待できるのか?という点を見ていきたいと思います。
双黄連口服液とは?
上記の記事ではこの「双黄連口服液」という漢方薬は風邪などによく使われる比較的一般的な漢方薬とのことで、これが今回流行中の新型コロナウイルスにも有効とのこと。
含まれている中身は以下のようになっています。
【主な主成分】
金銀花(きんぎんか)、黄芩(おうごん)、連翹(れんぎょう)【効能】
ウイルス性肺炎、気管支炎、喘息
※引用:http://www.toyi-net.com/herbs/kanpou_11_2.htm
成分から言えることは、漢方的には3種類すべの生薬が「清熱剤」という分類に属しています。
清熱剤とはその名前の通り「熱を清する」作用がありますので、西洋医学的には「解熱・解毒・抗炎症」といった効果がある生薬と置き換えるとイメージしやすいかと思います。
また生薬には帰経というものがあり、どこの臓腑(内蔵)に作用するのかも細かく分類されているのですが、上記3種類はすべて「肺」の熱をとる清肺熱作用があります。
つまり、双黄連口服液は「肺」に起こった「炎症を鎮める」作用がある漢方薬ということが言えるため、今回の新型コロナウイルスによる肺炎にも効果があるのでは!ということになったのであろうと思います。
大切なのは服用する時期!
しかしながら、今回の新型コロナウイルスによる肺炎は初期の段階からいきなり熱が高くなり肺が炎症を起こすのかというとそうとは限らないようです。
《初期の段階》
中国の国家中医薬管理局から今回の肺炎についての報告が出ていますが、そちらの報告によると、発病初期の特徴として、
- ①悪寒発熱または無熱
②空咳、喉の乾燥
③倦怠感
④胸悶(胸苦しさ)
⑤吐き気、下痢
が挙げられており、必ずしも発熱は伴わないとされています。
※引用:新型冠状病毒感染的肺炎诊疗方案(试行第四版)
http://www.gov.cn/zhengce/zhengceku/2020-01/28/5472673/files/0f96c10cc09d4d36a6f9a9f0b42d972b.pdf
つまり、上記の①〜⑤のような発病初期段階においては、残念ながら「双黄連口服液」は効果がない、もしくはその可能性が高い、と思われます。
《中期の段階》
一方で、初期の段階が過ぎ、中期の段階になってくると
- ①熱が下がらない、あるいは寒気と熱が交互に起こる
②咳(痰少ない、或いは黄色い痰を伴う)
③便秘腹満
④胸悶して呼吸が早い
⑤咳喘息症状(動くと呼吸困難)
というように肺に熱が籠もっている症状が現れてきます。
(※③の症状は肺と関連ないように思いますが、中医学において大腸は肺と関連性が高く、肺熱が大腸へ伝わると腸内が乾燥し便秘となります。)
このような場合は「双黄連口服液」のような肺熱をとる処方は比較的有効となるのではないかと思われます。
まとめ
以上のように、「双黄連口服液」は今回の新型コロナウイルスによる肺炎には「時期によっては有効」となる可能性はあります。
しかしながら、記事にあるように感染前に服用するのは全くもってオススメできません。
肺の大切な役割として、漢方・中医学では外部のウイルスや細菌などの防御をする免疫機能を司っています。(気の防衛機能)
そのため、不必要に肺の熱を奪ってしまうことは気の防衛機能を低下させることで免疫力の低下にも繋がり、場合によってはより感染しやすい体内環境を作り出してしまう、とも言えます。
https://www.irodori-kanpou.com/irodorikanpoublog/20200304/2449/
漢方薬に限らずですが、医薬品は必ず専門家の指示のもとで服用することをお勧めします。
新型コロナウイルスについては今後も状況を見ながら皆様の役に立つ情報を届けていければ、と思いますので、次回もご期待下さい。
新型コロナウイルスについてはまだブログにも載せていない情報もたくさんあります。
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