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新型コロナウイルス

蒼朮(そうじゅつ)の燻蒸によるウイルス対策

2020-02-26

日本でも市中感染がほぼ確実となり、今後おそらくさらなる感染拡大が予想される新型コロナウイルス(COVID-19)。

マスク・消毒液などは未だに売り切れのところも多く、今後どのように対策していいいのか困っている方も多いのではないでしょうか。

手洗い・マスクによる予防ももちろん大切ですが、私の上海留学時代の医師の友人から、「中国では漢方薬(生薬)による消毒殺菌を行っている病院がある」というまだ日本ではあまり広まっていない新たな情報を聞きましたので、ご紹介させていただきたいと思います。

その方法とは、蒼朮(そうじゅつ)という生薬を燻蒸し、煙を部屋中に散布することで空気中のウイルスを消毒する、という方法です。

ちなみに前回のブログでは「新型コロナウイルスに有効かもしれない漢方」について書いていますので、よろしければこちらも合わせて御覧ください。
https://www.irodori-kanpou.com/irodorikanpoublog/20200203/2406/

蒼朮(そうじゅつ)とは

蒼朮(そうじゅつ)という生薬は、実は日本でも一般的によく使用される生薬なのですが、本来の効果は燥湿健脾(そうしつけんぴ)という胃腸や体の外表などに溜まった湿気を除く生薬です。

五十肩の二朮湯(にじゅつとう)、胃の不快感に使う平胃散(へいいさん)など有名な方剤にも使われているので聞いたことの有る方もおられるのではないでしょうか。

蒼朮の抗ウイルス効果

このように、現在の一般的な中薬書(生薬学の本)には蒼朮(そうじゅつ)が抗ウイルス効果を持つなどという記載はほとんど見かけられません。

しかしながら、「本草正義」という1828年に書かれた書籍には、疫病(えきびょう)には蒼朮を燃やして使う、という内容が書かれています。

《本草正义》:苍术 “ 芬芳辟秽 , 胜四时不正之气 , 故时疫之病多用之。最能驱除秽浊恶气。阴霆之域 , 久旷之屋 , 宜焚此物而后居人 ”。
参考サイト:https://www.33jj.com/yangsheng/162548.html

また「本草網要」という書籍にも以下のように蒼朮を燃やすことで伝染病などの邪気払いをするという記載があります。

《本草纲要》:张仲景辟一切恶气,用赤术同猪蹄甲烧烟(赤术是苍术的别号),陶隐居亦言术能除恶气(陶弘景),弭灾诊,故今病疫及岁旦,人家往往烧苍术以辟邪气。
参考サイト:https://www.33jj.com/yangsheng/162548.html

邪気払いというと、呪言(まじない)か何かのように聞こえるかもしれませんが、そうではありません。

記憶に新しい2003年にSARSが流行した時も、多くの中国の病院で取り入れられており、非常に素晴らしい成果を上げているのです。

北京大学深圳病院での研究発表

北大深圳病院で採用された“蒼朮燻蒸空気消毒”では、統計によると2003年2月1日から4月30日までで、総量850kgの蒼朮を使った結果、SARSの院内感染はその期間においては1例もなかったとのことです。

参考サイト:https://www.33jj.com/yangsheng/162548.htmlから

青海省西宁市第二人民病院での研究発表

青海省西宁市第二人民病院では屋内空気中の細菌に対して紫外線照射よりも有効であったとの報告があります。

参考サイト:https://www.33jj.com/yangsheng/162548.htmlから

深圳市第二人民病院での研究発表

また深圳市第二人民病院では蒼朮の燻蒸消毒は、使いやすさ、殺菌力の強さ、無刺激性、無残留性、人体への影響も無毒、という点から非常に優れた方法であると結論づけいています。

参考サイト:https://www.33jj.com/yangsheng/162548.htmlから

まとめ

以上のように、蒼朮(そうじゅつ)燻蒸するという方法は、予防の観点から見るとある程度の効果が期待できる可能性があります。(もちろん100%予防できるとは断言できません

中国では昔から度々疫病(伝染病)が流行る国でした。

古典に記載されている時代は当然ながら現在と違いマスクも無ければ消毒液もない時代です。

当たり前ですが、当時の人も生き延びるために必死で考えて、そして作り出されたのがこの方法だったのだと思います。

2020年春は時代は違えどまさにマスクも消毒液も不足している当時の緊急事態そのままの状況。

そんな時は、少し当時の知恵を借りてみるのも一つの方法かもしれませんね。


このような不燃性の容器があればだれでも簡単に使用できます。

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