多嚢胞性卵巣について
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多嚢胞性卵巣とは
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)ってどんな病気?
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは、左右両側の卵巣に、多数の小さい嚢胞がたくさんできて(ネックレスサイン)、なかなか排卵できなくなる病気です。
正常な方の場合、卵巣内のいくつかの卵胞のうち、1つの卵胞のみが17~20mmに成熟すると中の卵子が排出されるのですが、多嚢胞性卵巣症候群の場合は数は多くできるのですが、一つ一つは未成熟なままなのでうまく排卵できないのです。
生殖年齢女性の6~10%にみられ、不妊相談をしていると何人かに1人はこの疾患の方が来られます。
なぜこの病気になるのか原因はまだ明らかではないですが、血液検査では血中のアンドロゲン(男性ホルモン)の上昇、LH(黄体化ホルモン)の上昇(FSHは正常)、インスリン抵抗性の上昇など特徴的な値を示します。
この疾患は重症になると全く排卵が起こらなくなるので、妊娠を希望される方にとっては非常にやっかいな疾患の1つです。
また30歳以下の若年性子宮体癌の60%にPCOSが認められたとの報告もあり子宮体癌の危険因子であることが示唆されています。
多嚢胞性卵巣症候群の症状など
多嚢胞性卵巣症候群の症状は?
月経異常(生理周期が長くなる、無月経など)
排卵異常(無排卵など)
男性化(多毛、にきび、肥満など)
インスリン抵抗性(2型糖尿病、脂質異常症、メタボリックシンドローム)
不妊
多嚢胞性卵巣症候群の原因は?
まだはっきりとした原因は明らかになっていませんが、視床下部?下垂体?卵巣系のホルモン分泌異常に加えて、副腎系および糖代謝異常が複雑に関与した病態であることはわかっています。
またストレスや運動不足、食生活の乱れなども関与していると言われています。