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痒くて眠れなかったアトピー性皮膚炎が1ヶ月で劇的に改善!:漢方による症例報告

2018-04-05

彩り漢方薬局ではアトピー性皮膚炎の患者さんが多数来局されています。

当然なかなか改善しない症例もありますが、適切な漢方薬を選択すればこの症例のように早い人では1ヶ月でも十分に改善が見られます。

やや専門家向きの書き方になっておりますが、ご了承ください。

アトピー性皮膚炎のかゆみによる不眠

【患者】女性32歳 初診:2017年2月

【主訴】アトピー性皮膚炎による不眠

【既往歴】子供の頃にアトピー性皮膚炎と喘息があったが、成人してからは症状落ち着いていた。

現在の状態の詳細

昨年10月、結婚を期にご主人と一緒に住みだしてから慣れない二人暮らしのためか少しずつストレスを感じていたところ、数年ぶりに皮膚の痒みが現れ、皮膚科受診するとアトピー性皮膚炎と診断される。

その後、夜間に咳も出始め喘息様症状も現れるが、そちらは吸入剤にてとりあえず落ち着いている。

しかしながら、皮膚のかゆみの方はステロイド軟膏やヒルドイド軟膏、他にもアレグラなどの抗アレルギー剤内服が処方されるも一向に改善がなく、最近は痒くて夜も眠れなくなってきているとのこと。

4月末に結婚式がひかえており、それまでに皮膚症状を少しでもなんとかしたいとのことで来局。

四診による観察

  • ・155cm、45kg。やや痩せ型。
  • ・皮膚は両腕が特に赤い湿疹が多く、顔にも少し湿疹あり。
  • ・掻いたあとが傷になり少し出血がある。
  • ・浸出液などはあまり出ておらずどちらかと言うと乾燥ぎみ。
  • ・食後や入浴後に悪化し、いくら掻いても痒みがおさまらない。
  • ・便秘気味。
  • ・今は生活ストレスはだいぶ慣れたが、痒さで寝れないのが辛い。
  • ・冷え症(手足)でむくみあり(特に足首)。
  • ・ストレスで甘いものをよく食べた。
  • ・舌体は赤く苔は殆どなし。

病因・病機分析

夫婦で暮らすという今までと違う環境によるストレスで肝鬱気滞となり、その状態が暫く続くことで気鬱がとなり肝鬱化火へ、さらにそのが心に影響することで心火熾盛熱入営血となり夜間の睡眠にまで影響が出ていると推測。

またストレス解消にと摂った甘い物が湿熱邪気と化し皮毛と肌肉の間隙である膜腠に留まっている、さらに肝火は肺にも影響することで肝火犯肺となり喘息発作を引き起こしたと思われる。

処方

  • ●黄連解毒湯(全量)
  • ●六味丸(1/3量)
  • ●大黄牡丹皮湯・猪苓湯(それぞれ半量)
  • ●FK-23菌含有乳酸菌製剤を寝る前1p
  • ●イオン化カルシウムを寝る前20T

それぞれ服用してもらうように説明。

※漢方薬は全てエキス製剤

服用後の経過

来局翌日に連絡あり。

服用したその日の夜からいきなり効果があり、久しぶりに熟睡できたとのこと。

その後、甘いものを食べたときはやや悪化するとのことで茵陳蒿湯を(1/3量)追加し、その分黄連解毒湯を全量から2/3量へ減量した。

1ヶ月後には病院から出された内服・外用共に中止も特にリバウンドなく、腕の湿疹もかなり改善された。同時に喘息症状も改善されてきているとのこと。

4月には無事結婚式を挙げることができ、とりあえず目的が達成されたので5月よりFK-23菌含有乳酸菌製剤以外を中止。

夏場の暑さや湿気の影響による症状悪化が心配されたが、なんとか再発なく8月を乗り切られた。

現在もFK-23菌含有乳酸菌製は継続して服用中。

彩り漢方薬局による考え方

まずは主訴である痒みによる不眠は、心火によるものであるとし、これを解消するため、清心火の黄連を含んだ黄連解毒湯を主方剤とした。

この方剤には黄連以外にも黄芩・黄柏・山梔子といった清熱燥湿剤が含まれているため過度の燥湿による乾燥を考慮し滋陰の生地黄を含んだ六味丸を少量加えている。

清熱滋陰では黄連解毒湯に四物湯を加えた温清飲という方剤が有名だが、処方構成をみると黄連解毒湯の含有量が少なく、また四物湯に含まれる当帰川芎といった温性の活血剤は現在の熱症状をさらに煽る恐れがあるため使用しないほうがいいと判断した。

一方、六味丸であれば温性の活血剤は含まれず、牡丹皮という清熱涼血剤が含まれているため血分熱を冷ます必要のあるこの症例ではより適していると思われる。

大黄牡丹皮湯大黄によってその血分熱を冷ますため、また胃腸鬱熱による便秘改善のため併用している。

また甘いもののとりすぎによって起こったと思われる三焦膜腠に鬱滞した湿熱毒邪には猪苓湯で対応した。

しかしながらその後飲食の過剰摂取により症状悪化時に茵蔯蒿湯にて脾胃湿熱に対応することで改善があったため、はじめから茵蔯蒿湯は入れておいたほうが良かったものと思われる。