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頭痛を漢方・中医学で考える 〜不通則痛〜

2017-10-26

先日、毎月恒例の「彩り漢方薬局勉強会」を開催しました。

今月は頭痛について。
和やかな雰囲気の中、質問や感想が飛びかい、楽しい勉強会となりました。

いつも遠くからのご参加、ありがとうございます。
(只今、満席となっております)

頭痛を漢方で考える:「不通則痛」

頭痛にも、ズキズキ痛む頭痛、全体に重くジワーと痛む頭痛、吐き気を伴う頭痛など、さまざまな種類があります。

しかしながら、漢方・中医学の考え方では、痛みは頭痛に限らずどんな痛みであれ、血流など体の中を流れる何か(気・血・津液)の流れが悪くなった時に起きるというふうに考えます。(不通則痛 : 通じざれば則ち痛む)

例えば輪ゴムをきつく指に巻いたら、そこから上の部分がだんだん青紫色になって、痛みが出てきたことはありませんか?あれは輪ゴム部分で血流が遮断され痛みが起こっているのですが、大雑把に言うと頭痛もこれと同じです。

その為、対処法としては、まずその部分で起きている詰まりや滞りをきれいに取ることが一番大切になります。そうすれば停滞していた気・血・津液が自然に流れるようになるので、痛みも自然に減っていくというわけです。(輪ゴムをとれば痛みはなくなる)

頭痛を治すためには、一体何の流れが悪くて詰まって頭痛が起こっているのか、これをしっかり判断する必要があります。

この”何か”を探すために我々は望診・問診・聞診・切診の伝統的な中医学漢方の診断法を用いたり、またコロトコフ計など西洋医学的な血流の流れなどを参考にしています。

その原因を知ることさえできれば、頭痛は漢方でも比較的効果の現れやすい症状の一つなので、病院の検査でも以上はないが原因不明の頭痛が続いているという方は是非、漢方薬をお試しください。

頭痛の原因:中医学・漢方での考え方

あなたの頭痛はどこに分類されるでしょうか?
原因を知り、それに対応した治療をして、頭痛に対処していきましょう。

頭痛の原因は、まずは大まかに、身体の外側の環境の影響(外因と、身体の内側からの不調によるもの(内因と、2つに分けて考えます。

【外からの影響 (外感頭痛)】

主に風邪とともに起こる頭痛が中心です。その他気象の変化の影響を受けて発生したものもここに入ります。急に発生するものが多く(急性頭痛)、ガンガンするなど、比較的症状が強いものが多いのが特徴。

① 寒さによるもの (風寒頭痛) : 後頭部から首、後肩部にかけて痛むことが多い。
② 熱によるもの (風熱頭痛) : 風邪で熱が出ると熱感を伴う、張った感じ、または、ガンガンと痛むことが多い。
③ 湿気によるもの (風湿頭痛): 頭が重く、頭部が何かに包み込まれているような感じがする。低気圧が近づいているときにも起こりやすい

【内からの影響 (内傷頭痛)】

ストレスや過労、飲食の不摂生などにより、体内の気、血、水のバランスが崩れることにより起きたもの。慢性的な頭痛が多い。

①気の滞り(気滞) : ストレスによるもの。不眠、めまい、耳鳴りなどが起きることがある。
②気の不足(気虚): 疲労時に頭痛がする。疲労倦怠感、脱力感、食欲不振などを伴う。
③血の滞り (瘀血): 血流が悪い場合、ズキズキ刺すような痛みが起きる。毎回同じ場所が痛む。
④血の不足 (血虚): 立ちくらみ、めまい、動悸、不眠などを伴うことがある。
⑤不要な水分や脂質(痰湿) : 雨の日や低気圧の時に痛みが酷くなる。頭は重く、何かに巻かれて締め付けられるような痛みがでる。

※この他、痛みには打撲など外傷による痛みもあります。

《注意》

頭痛とともに、口の動きが変になる、ろれつが回らなくなる、言葉が出ない、顔のゆがみ、片方の手や足に力が入らない、などの症状が見られた場合は、一刻も早く病院を受診してください。脳卒中の危険性があります。

頭痛に使う漢方薬

ここでお伝えする漢方薬はあくまで代表的なもので、日本では使われていないものもあります。当薬局では日本にある漢方薬を数種類組み合わせるなどして対応しています。

外感頭痛

①風寒頭痛:川芎茶調散、葛根湯、麻黄湯、桂枝湯
②風熱頭痛:桑菊飲、荊芥連翹湯、菊花茶調散、
③風湿頭痛:羌活勝湿湯、藿香正気散

内傷頭痛

①気滞頭痛 : 加味逍遙散、血府逐?湯
②気虚頭痛 : 補中益気湯
③瘀血頭痛 : 痛竅活血湯、冠元顆粒、桂枝茯苓丸、加味逍遙散
④血虚頭痛 : 加味四物湯、婦宝当帰膠、 人参栄養湯
⑤痰濁頭痛 : 半夏白朮天麻湯、竹如温胆湯

このようにまとめると一見簡単なように見えますが、実際の漢方相談ではこのような単純な頭痛の方は非常に少なく、幾つかのタイプが混在していたり、はっきりとしたタイプに分けられない方がほとんどです。

彩り漢方薬局では、中医学・漢方に精通した薬剤師がしっかりと問診に時間をかけ、その他舌や脈、血流計検査結果などから最も適切な対応策を提案しております。

頭痛でお悩みの方は是非、彩り漢方薬局の専門家にご相談下さい。