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皮膚病の漢方・中医学解説はじめます! 〜朱仁康臨床経験集より〜
彩り漢方薬局は皮膚疾患が得意!
不妊専門の漢方薬局としてはだいぶ夙川・西宮近辺では知られるようになってきた彩り漢方薬局ですが、実は不妊漢方以上に得意としている分野があります。
それが今回のブログの題にもある皮膚関連の疾患における漢方治療です。
卒論のテーマは尋常性乾癬について
今から4年前に広州中医薬大修士課程を卒業したのですが、その論文の題材が「尋常性乾癬(以下乾癬)」という難治性の皮膚疾患でした。
当時は皮膚科の漢方・中医学について日本・中国、両国のあらゆる書籍や文献を片っ端から調べていたのですが、論文としてまとめるためには乾癬以外の皮膚疾患についても触れなければいけないことも多く、いつの間にかそちらの方もかなり調べる羽目になっていました。
そのおかげか、今では皮膚疾患の漢方相談に関してはある程度、自信を持って対応できているのではないかと思っています。
しかしながら、時にはどうしたらいいか本当に悩むような皮膚病の方もやはり来られます。
朱仁康先生とは
そんな時、私が最もよく参考にしているのが「朱仁康」という中国の老中医の書かれた「朱仁康臨床経験集」という書籍です。
「朱仁康」先生は、中医皮膚科においては、中国国内では大変著名な老中医ですが、先生の書かれたこの「朱仁康臨床経験集」は以前に「中医臨床」という日本の中医学雑誌でも取り上げられていたので、日本でも漢方を専門にされている方の中にはご存知の方もおられるのではないでしょうか。
特に乾癬治療においては第一人者とされており、その原因として「血熱(けつねつ)」を主因に挙げられていることでも有名です。
実際の治療効果においても、主要原因である「血熱」に対する処方として「克銀方※」という独自の乾癬専門の処方を作られ、乾癬患者108例に対して、有効率94.4%とかなりの治療成績を挙げられています。
(※乾癬は中国では銀屑病といわれるので克銀方と名付けられていると思われる。)
朱仁康臨床経験集について
本書は
・第一部:先生の理論を中心とした皮膚病の分類・病因病機・弁証論治など、
・第二部:54の病種に対して141の医案、
・第三部:先生の経験方・常用薬の紹介
の3部から構成されていますが、第二部の「臨床医案」には、「尋常性乾癬」のような難治性の皮膚疾患以外にも、「蕁麻疹」、「皮膚掻痒症」、「帯状疱疹」、「痤瘡(ニキビ)」、「疣贅(イボ)」といった日常で見られる一般的な皮膚疾患も多く紹介されていますので、十分に日本でも役に立つ内容となっています。
すべての症例を紹介するのは難しいかと思いますが、有益であると思われる内容は順次紹介していく予定ですのでお楽しみに!
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