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漢方薬局開業日記その12〜上海中医薬大学本校編④番外編〜

2019-07-20

前回までで、上海中医薬大学の授業内容・臨床研修については一通り書いたつもりであるが、今日は、より良い留学生活を送るために、実際に私が生活をした中で感じた「個人的におすすめすること」について前回までの内容を補填するということで書いてみたい。

あくまで私個人の意見であるので、必ずしも全員がそうではないことを考慮していただきたい。

歯ブラシは日本から持参すべし

まず生活編から。

生活に必要な金銭面のことに関しては以前のブログに書いてあるのでそちらを参考にしていただいて、ここではお金以外の持ち物について。

個人的に日本で購入していくことが望ましいものとしては、まずおすすめしたいのが歯ブラシである。

海外に行ったことのある方ならわかると思うが、海外の歯ブラシは異常なほどにヘッドがでかい

もちろん中国も同様で、ほんとうにビックリするほどでかい。

子供用ならまだしも、大人用になると馬の歯でも洗えそうな馬鹿でかいものばかりで、あんな物ではとても奥の方の歯はきれいにみがけない。

出発前に月1本換算なら12本ほどは日本で使用しているものを購入しておくべきだろう。

最悪の場合は、上海市内にも日系のスーパーがあるので購入はできるのだが、値段は日本で購入する価格の約2倍は覚悟しなければならない

なので歯ブラシ以外でも、シャンプー・石けん・洗顔などの日用品で持ち込み可能な物はなるべく日本で買いだめしていくほうが望ましい。

現地で購入したシャンプーなどは明らかに粘り気が強く、すすぎ残しが気になって仕方なかった。

一方で髭剃り用のシャービングジェルと石けんは現地の物を仕方なく購入したが、全く問題はなかった。

しかしこれも個人差はあるのであくまで参考程度に。

海外では日本のように気軽に病院に通うというのはなかなか難しいので、皮膚等のトラブルは避けたほうがよいという点からもなるべく日本で使い慣れたものを持参することをおすすめする。

中国語は最低限覚えてから留学すベし

次に、個人的に最も重要と感じている語学(中国語)のことについて。

留学時は専門の通訳、もしくは日本語可能な先生がつくということで、留学時においては中国語のレベルは特に問われない。

私も日本では「你好、謝謝」など誰でも知っているような中国語以外は全く知らない状態での留学だった。

しかし、実際に生活した結果、やはり最低限の中国語は必要ということを嫌という程感じさせられた。

留学初日にまず入寮の手続きをするのだが、一応通訳はいるが、何名かいっぺんに手続きする場合どうしても通訳の方が対応できない場合がある。

当然こちら側は中国語はほとんど喋れないので、そういう時は何もできないのだが、向こうはこちらが中国語を話せないとわかってても、超早口な中国語でガンガンしゃべりかけてくる。

これがなかなか辛い(泣)。

みなさんも感じたことはあると思うが、慣れるまで中国人の話している中国語はメチャクチャ怒っているように聞こえる(本人達は普通に話しているようだが)。

そのため、私の場合はあまりの勢いに「異国での生活を始めるという留学初日の不安な状態」が、よりいっそう不安になってしまった。

また、学校での授業はほとんどの先生が日本語が堪能なのでそれほど問題はないのだが、学校以外の食堂、駅、店の店員などは当たり前だが中国語が飛び交っていて、ほとんどの場所で何を言っているのかさっぱりわからなかったのはとても辛かった。

そしてなにより一番大事な臨床研修でも患者が話す言葉は当然ながら100%中国語なのだ。

前回のブログにも書いてあるが、通訳も先生も患者の言う内容をすべて訳してはくれない。全て訳しながら説明となるとやはり時間的にも無理がある(ただ面倒くさいという説もあるが。)

私も1年目の留学ではほとんど聞き取れず、正直時間を無駄にしてしまうことが多かった。

そのため私の場合は卒業後に個人的に半年間上海に残り、中国語の教室に通いながら、臨床研修を続けた。

半年弱ではあったが、毎日必死に勉強したおかげで「新HSK五級」をなんとかパスするくらいのレベルまではレベルアップできた。(「新HSK五級」があれば中国の理系の大学の大学院の入学に必要な中国語レベルに達しっているとみなされる。ちなみに大学本科は4級、文系の大学院になると6級が必要となる。)

これが逆(先に語学留学、後に中医留学)であればどれほど充実した留学であったか!!

一番後悔の残るところである(泣)


新HSK5級の点数


新HSK4級の点数


中国語の授業での黒板板書

リスニング力を上げるには現地留学がオススメ

日本で中国語を勉強する場合、漢字の読める日本人は「文法」「読解」はある程度できるようになるが、やはり「リスニング」がなかなか伸びない

しかし、これが中国本土で中国語を勉強するとリスニングが一番得意になるのだから住んでいる環境の影響というのは計り知れないものである。

それでも患者の話している内容で理解できるのは半年の勉強では50%あるかどうかだった。

なので、もし時間に余裕のある方なら、「中医学の留学前」に1年、最低でも半年「中国語留学」できればベストであろう。

断言するが日本で1年勉強するのと、現地の中国で1年勉強するのでは、1年後は必ず雲泥の差がつく。

特に我々が受けてきた日本流「英語教育」のような「中国語の説明を日本語で行う授業」という「中国語教室」では、それこそ「英語」の二の舞になるだろう。

中高で6年やっても話せないのだから1年で話せたらそれこそ天才である。

また金銭的にもかなり違う。

私が上海で受けた授業は半年間で約1万元(15万円)くらいだった。

授業は月〜金の午前中の3時間程度。

もし日本で同じ時間授業を受けるとなるとおそらく数倍以上の金額がかかる。

中国の(特に上海など大都市で)物価もどんどん上がって来てはいるが、学費などの分野は日本に比べるとまだまだ安いのが実情なので、時間があるならばまずは現地での語学留学をお勧めしたい。

空き時間をどう使うかは目的次第!

ちなみに臨床研修が始まる前の「前期」には結構空き時間があるので、そこで「中国語」を個人レッスンを受けるなりで「中国語」を勉強するなどの自由な時間はあるにはある。

私の場合はその時間を「日本で買った全く読んでいない、もしくは読みかけの多くの中医学の本」をひたすら読みこなすこと、ようするに中医学」の勉強にほとんどの時間を使ったので、「中国語」に回す時間はほとんどなかった(というか臨床になるまで中国語はそこまで必要ないと思っていた)。

もしこの時間の半分くらいを「中国語」にまわしていたら後期の「臨床研修」がより充実したものになっていたのかな〜と、正直今思うと少し後悔もあるのは事実である。

時間の使いかたは人それぞれではあるが、1経験者の意見として考慮していただければ幸いである。


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