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漢方相談について 〜望診:舌を見せてください〜
夙川駅北側にある漢方専門薬局・彩り漢方薬局のスタッフ薬剤師タケウチアツコです。
前回は漢方相談の流れについて知っていただくために「問診」についてご説明させていただきました。
2回目の今日は、「四診」という漢方特有の四つの診断方法のうちの「望診」についてご説明しますね。
望診とは
望診とは、顔色、目の力、爪の色や薄さ、皮膚の様子、姿勢、体の動きなど、実際に自分の目で見た情報から患者さんの状態を診断することをいいます。
漢方が生まれた時代というのは2000年以上も昔のこと。
そのため、現代とは違いレントゲンやCTのような体の中を見る検査機器はもちろんありませんでした。
そこで、漢方家は患者さんの顔色、表情、体格、舌の状態、声の様子、匂い、脈の状態などを、実際に見る、聞く、嗅ぐ、触る、問うという手段(四診と言います)を用いて得た生の情報によって患者さんの「証」を診立てていました。
その中でも「望診」という、目で見る診立ての方法からは、とても多くの事が分かります。
望診の中心は舌診!
望診の中でも特に重要とされているのが「舌診」です。
なぜなら顔色はメイクなどにより分かりにくいこともありますが、舌はそのままの体内の状況を素直に反映しているからです。
つまり、なかなかごまかしが利きにくいのですね。
具体的には、舌の色、大きさ、形、舌表面の苔、舌の裏側の静脈、舌の動き、などから、体の中の臓器の異常がどこにあるのか?または気・血・水の流れなどに異常はあるのか?などを判断していきます。
舌診における注意点
しかしながら舌診を行うときに注意点もあります。
それはライトや照明の明かりの具合によって、舌の色合いが微妙に異なってきてしまうため、診断するときの条件をなるべくいつも同じにする必要があるということです。
昼と夜では同じものでも見え方や色合いが変わりますよね?
色合いが正確でなければ、診断が正確に行かないことも十分にあります。
そのため、彩り漢方薬局では、実際に歯科医師が使用するペンライトを使用して光の明るさを常に一定にしているのでより正確な舌診が可能です。
もう一つの注意点として、飲食後の舌診はあまり当てにならないというのも大事なポイントです。
以前、ある患者さんで舌苔が急に黄色くなっていたので、「何か体の中で熱が発生しているのかな?」と思ったところ、実際は昼にカレーを食べただけだった、ということがありました。
なので、漢方相談を受けるときは、2時間くらい前からはなるべく飲食をせずに来ていただくことが望ましいです。
まとめ
以上、漢方相談における望診(舌診)についてまとめてみました。
舌を見るだけでも本当にいろいろなことがわかるので、舌診の大切さが少しでも伝われば幸いです。
なので、初めて来た漢方薬局で、あれこれ「問診」された後「ちょっと舌を見せてください」とサラッと言われても、ギョッとなさらず、恥ずかしがらず舌を出してくださいね。
漢方相談で、舌を出していただくのにはこんなワケがあるのです。
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