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タイミング法の成功率を上げる方法 〜エビデンスでみるタイミング法〜
2018-02-02

先日、当薬局のスタッフから、
「正月からのドラマで”不妊症・妊活”のドラマやってるの知ってますか?」

と、聞かれ、全く知らなかったのですが、ドラマの公式サイトで再放送してるということで、今回、第1話と第2話を見てみました。

見た感想ですが、本当にスタンダードな妊活についてわかりやすく、しかも面白く描かれていました。

”不妊症”というテーマは日本ではなかなか表立ってということが難しいテーマなのですが、ドラマになったということは、それだけ社会的にも少しずつ認知されてきていることの現れでしょうか。

第1話、第2話を見てもらえばわかりますが、現在、主人公たちは「タイミング法」という方法で治療をはじめています。

”妊活”を始める方の多くがまずこの「タイミング法」から始めるのことになるのですが、詳細はあまりわからないまま婦人科のDrに言われてとりあえずされているという方も結構おられます。

そこで今回はこの「タイミング法」について、いくつか取り上げてみたいと思います。

タイミング法とは

タイミング法とは、超音波検査や血液検査、または尿検査などから排卵日を予測し、夫婦生活のタイミングを図り妊娠にトライする方法のことをいいます。

タイミング法自体は人工授精や体外受精のような特殊な方法をするわけではないので、一通りの検査に問題ないことが適応条件となっています。

ただ、排卵障害がある場合は排卵誘発剤を使うこともあります。

排卵日が一番妊娠しやすい日ではない

タイミング法に関して最も誤解の多い点の一つがこれです。

月経周期において、精子、卵子の生存期間から考えると、妊娠可能な時期というのは限られおり、その期間のことをfertile window(妊娠の窓)と言います。

このfertile windowは排卵日の5日前から排卵日までの6日間で、「排卵日の2日前」の性交が最も妊娠率が高いことがわかっています。

逆に、この研究結果によると排卵日当日の性交は妊娠率は低下することが示されています。

排卵の時期を推定する方法

タイミングを指導する適切な時期を決めるためには、約6日間のfertile windowを正確に推測することが重要となってきます。

このfertile windowを推測するする方法としては①BBT(基礎体温)②帯下(おりもの)の性状から、といった自分でも推測可能な方法もありますが、個人差や周期ごとの変動が大きいこともあり確実な方法とはいえません。

そのためクリニックなどでは超音波による卵胞チェック、尿中ホルモンのチェック、頚管粘液の観察などによって排卵日を予測することが一般的です。

この中では、超音波による卵胞チェックが最も確実な方法とされていますが、ピンポイントで排卵日を推定するには複数回の通院が必要となるので、患者さんの負担は大きいものとなります。

その場合は、薬局で購入できる排卵検査の各種キットを利用すれば通院しなくても排卵日がある程度予測できるため、そちらを利用される方も多いのではないかと思います。

しかしながら注意点もあります。これらのキットは排卵直前におこるLHサージを高精度に検出できることから、多くの方が使われていますが、偽陽性率、偽陰性率ともに5〜10%程度あるため、確実ではないことは注意が必要です。

タイミング法による妊娠率

タイミング法による妊娠率は実はそれほど高くありません。正常に妊娠可能な女性のタイミング法1周期における妊娠率は17〜20%とされています。

30歳以上の正常な妊娠可能女性では6ヶ月で65%、12ヶ月で78%が妊娠します。

一方で、不妊症の女性では、タイミング法で妊娠した症例の64%が6周期以内での妊娠ということが報告されています。

つまり、排卵障害などがあり今まで排卵の時期に性交渉がもてていなかった場合などでは治療効果は高いですが、明らかな不妊原因がなく基礎体温も二相性で避妊せず夫婦生活を送っている場合は若年女性でもタイミング法での妊娠率は0〜5%ととても低く、そこまで有効な手段とは言えないことがわかります。

タイミング法による精神的ストレス

2015年に発表されたCochrane Reviewによると排卵日を推測し性交のタイミングを計ることにより妊娠率は向上するものの、エビデンスレベルではそこまでの効果がはっきりしているとはいい難いようです。

一方で、排卵日を推測し、機械的に性交日を指導することは患者(特に男性)のストレスが1.98倍高いというデーターもあり、精子の質の低下などによって逆に妊娠率が低下するのことも指摘されており、タイミング法の有意差に関してはさらなる研究が必要のようです。

性交回数と妊娠率(fertile window期間中)

fertile window期間中の性交回数と妊娠率に関してですが、

①期間中、毎日性交した場合の周期あたりの妊娠率は37%
②期間中、一日おきに性交した場合の周期あたりの妊娠率は33%
③期間中、1回のみの性交では、周期あたりの妊娠率は15%

となっており、当たり前かもしれないですが、期間中は毎日性交するのが最も妊娠率が高くなります

また排卵日を狙って一回だけタイミングを、というのはかなり確率が悪いこともおわかりになるかと思います。

以前はある程度休憩期間を置いたほうが精子濃度や精子運動率がいいと言われていたこともありますが、最近では毎日射精した場合でも精子数、精子運動率には変化はなく、逆に毎日射精するほうが新鮮な精子が増え、精液の質が高まることも報告されています。

タイミング法を行う期間は?

タイミング指導を行う期間に関しては、特に決まったものはありませんが、多くのクリニックでは5〜6周期、約半年間というのが一般的です。

その理由としては先に上げたようにタイミング法で妊娠する方の約7割は6周期以内ということからきています。

これ以上の期間を行うことももちろん可能ですが、例えば卵管采のピックアップ障害など高度生殖医療(体外受精・顕微授精)などが必要な、今の医学では検査ができない不妊原因が隠れている場合もありますので、漠然と治療期間を延長することはあまり賢明とはいえません。

また、治療周期は年齢や、不妊期間によっても変わることがあります。

特に35歳以上の場合で妊孕率(妊娠しやすさ)が著しく低下している場合は、より高度な治療が必要となる場合もあるので、Drとしっかり話し合った上でタイミング法をするか否か、するとしたら何周期するのかなどをしっかり話し合った上で決めるのがいいでしょう。

まとめ

以上、タイミング法について、いくつかのエビデンスをもとにまとめてみました。

排卵障害など明らかな原因がある場合はタイミング法は有効かと思いますが、もし、普段から週2〜3回程度夫婦生活を送られているカップルであれば、排卵日を特定することや排卵日に性交することにこだわりすぎるのは、場合によってはあまり賢明ではないのかもしれませんね。

大切なことは、今自分たちが行っている治療や服薬が、何のために行われているかをしっかりと理解しておくことが重要です。

当薬局は漢方専門の薬局ですが、昨年不妊カウンセラー試験に合格した薬剤師もいますので、漢方だけでなく最新の不妊治療についてもしっかりとした情報をお伝えしております。

通っているクリニックで何をしているのかわからない、先生が忙しすぎて聞けないという方、ぜひ一度お越しください。

必ずお役に立てると思います。